この窓から見える海
それはその当時も今も変わることのない景色と音と匂いなのだろう
その日も海水浴をするために いつも通りにここから海岸に降りて行く
しかし違ったのは 彼はこの美しいカップ・マルタンの海から戻って来ることはなかった
ブラッサイに語っていた言葉は現実のものとなった
それは1965年8月27日の出来事
思いを馳せて見るカップ・マルタンの海は引き込まれそうになほど碧く美しく
ずっとずっと眺めていた 何も考えず ただただずっと
Le Corbusier ≪カップ・マルタンの休暇小屋≫
約8畳ほどの最晩年のシンプルなcabanon
ベッド
小さな机
最小限のキャビネット
トイレと洗面台
バス・キッチンは無
海の見える窓有
晩年 もしひとりになったら
こんな風でいいね
身の回りはシンプルで いくつかの大切なものと
あとはいつでも取り出せる記憶の引き出しさえあれば
そんなことを友達と話した
2007年 東京森美術館にて「ル・コルビュジエ展」
≪カップ・マルタンの休暇小屋≫ 実物大模型の展示
4人ずつ靴を脱いで入る 入れ替え制
カップ・マルタンに一緒に行った彼女と見に行く
建物は忠実に再現は出来ても
窓から見えるあのカップ・マルタンの海
あの海がなければ
このつづきは また明日