11月1日は、「Toussaint トゥサン」、フランスの祝日。
“万聖祭”と言って、カトリックのすべての聖人をまとめて祝う日。
この日、フランス人は日本のお彼岸と同じようにキクの花を持って、先祖のお墓参りに出掛ける。供養するのは直接の先祖ではなくてもいいようだ。自分の尊敬する人物でも・・・。
モンパルナス墓地にある、MAN RAYのお墓。
MAN RAYの墓石には「関知せず、さりとて無関心でもなく」と刻まれている。
後に亡くなったJULIETの墓石には「再び共に」と・・・・・。
かれこれ16年振りにモンパルナス墓地を訪れた。初めてのパリ旅行でこの墓地を訪れた目的は、何と言っても『セルジュ・ゲンスブールを訪ねて、パリ巡礼~!』とMAN RAYの眠るお墓に行きたかったからだ。ゲンスブールのお墓はすぐに見つかったのだが、地図を見てもMAN RAYのお墓がなかなか見つからず、途方にくれていた。季節は12月・・・とても寒くて、人影もほとんどない墓地はとてつもなく寂しかった。その時、お墓の管理をしていると思われるムッシュがたまたま通りかかり、案内してくれたのだった。この時、写真や絵や音楽でしか触れることの出来なかった好きな人達の肉体の欠片がこの石の下にあるのだと思うと、不覚にも涙が止まらなくなってしまったのだ。MAN RAYのお墓に刻まれている言葉は大好きで、それは今でも変らない。
久し振りのモンパルナス墓地は季節も違うせいか、ベンチでおしゃべりを楽しむ老人、お散歩する人々、恋人達・・・・・以前とは全く違う印象だった。そして同じように2つのお墓とそれ以外の何人かのお墓を訪れた。好きなものの根底は変わっていないのだが、大きく変ったのは年齢!?さぁ、どこかのカフェでワインでも飲もう~!と笑いながら墓地を後にした。
あんなフランス、こんなフランス。 phyto bar